日常的な趣味としてDIYをやっていると、自然と溜まってくる木材や端材。量が少ないうちは部屋の隅っこに置いておけば問題ないのですが、増えてくると邪魔で仕方ありません。
小さくまとめようにも1つ1つの木材のサイズがバラバラで、細長かったり、大きく平たかったり、なかなかきれいに片付かないのでイライラします。
このままではDIYの宝とも言える「端材」をゴミとして捨ててしまいそうなので、「余った木材を収納できる端材置き場」をDIYで製作することに決めました。
Contents
余った木材置き場をDIYで製作する
材料を用意する
「余った木材置き場」DIYの材料はザッとこんな感じ。
このDIYを考えた当初、「端材置き場を、端材で作る!」というエコロジーなコンセプトを掲げたのですが、余っている木材の中にサイズの大きい板の端材がなかったですし、寄せ集めの材料だけで作ると極めて満足度の低いものが出来そうだったので、
コンセプトはそそくさと記憶から抹消し、ホームセンターで1,820mm×910mm(サブロクバン)の構造用合板を1枚購入してカットしてもらい、ついでに右上のボイド管も購入しました。
我が家にあった端材で使えたものは、下の長いSPFの角材だけです。
あれば使う、なければ買う。いいんです。それでいいんです。
この材料の他に、
補強金物を用意。
余った木材1枚1枚は重い物ではないですが、チリも積もればとんでもない重量になるので、安全のための補強金物です。あと、自由に動かせるようにキャスターも用意。
金物やビスにエイジング加工を行う
補強金物やビスをそのまま使っても強度的に何の問題もないのですが、クセの強いDIYオタクの僕は、とりあえずエイジング的な一手間加えます。
テフロンが死んで焦げつきが激しくなって先日クビ宣告を受けたフライパンの上に補強金物を置き、
ガストーチで焼きます。
この作業を行うことで、新品臭をプンプン漂わせてたピカピカの金物の表情がグッと渋くなります。デビューしたてでキラキラしてるジャニーズJrが、瞬く間に高倉健さんになります。
不器用な人間でも簡単にできるエイジングなので、おすすめです。
シルバーでピカピカ光るユニクロ(亜鉛メッキ)加工された安っぽいビスも、
ガストーチで焼き上げることで、
グググッと渋くなります。
焼き時間や温度によって表情が変わるので、いろいろ試して自分好みのエイジングを見つけることができます。焼きエイジング、おすすめです。
焼きエイジングにおすすめのガストーチ(ガスバーナー)各種
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端材を収納するボックスを組む
用意した構造用合板を箱状に組んでいくのですが、この時「コーナークランプ」を使うとボックスを簡単に製作することができます。
※コーナークランプについては下記の記事でむさ苦しく語っているので参考まで。
ボックス作りを簡単にするコーナークランプ各種
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コーナークランプで90度に固定されている板に、補助的な役割を果たすビスを打ちます。このビスだけでは箱を維持できないので、あくまで補助的なビスです。
板の真ん中あたりにも1本打っておくと強度が増します。
次に、ボックスを支えるL型の補強金物を取り付けます。「補強金物」ではありますが、こいつがボックスを維持してくれる主役パーツになるので、「メイン金物」とも言えます。
先ほどエイジング加工を施したビスで固定していきます。
同様の手順で、このL型金物を4箇所に固定します。
さりげなく箱の内側を覗くと、ビスの先っちょがちょっと飛び出てた・・・・・
今回使用した「長さ16mm」のビスでは、理論上0.8mmほど飛び出しちゃうことはわかってたのですが、その次に短いビスが「長さ10mm」で、それを使うと引っ掛かりが非常に浅く、端材を置いた時の重さに耐えられないんじゃないかと不安だったので、今回はこれでOKとしました。
家具を造るDIYなら絶対にOKは出しませんけど、このDIYは「余った木材置き場」ですし、木材を置くと隠れて見えませんし、見た目よりも強度を優先させた結果の行動です。(言い訳大王)
こんな感じで端材を入れる「コの字のボックス」が完成。
この状態を誰かが見たら「こいつ棺桶でも作ってんのか」と変な目で見られそうですが、この形状のままだと横からの圧力に弱いので、強化させます。
収納ボックスを強化する
今回唯一自宅にあった端材であるSPFの角材を、電動丸ノコでカットします。
今まさに作ってる最中の収納ボックスを作業台に使うなんて、ワイルドだろぉ?
同じ長さにカットしたものを2本用意し、
ボックスの内側で突っ張るようにビスで固定していきます。
ビス2本でもいいですが、僕は徹底してリスクを排除する男なので、3本で固定します。
この形状になると、剛性が上がり、端材入れとしての強度が格段に高くなりました。
キャスターを取り付ける
DIY初心者におすすめなキャスター取り付け。
キャスターには「耐荷重」があるので、乗せるものの重量を想定してからサイズを選びます。
僕は今回、「1個 18kg」の耐荷重のキャスターを使用しました。
ビスで取り付け可能なキャスター各種
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ボイド管を加工する
ボイド管という文字を見た瞬間に「ボイド管って何?」と思う人がほとんどだと思いますが、ボイド管は、「建物内の電気配線や給排水管を通す穴をコンクリートに事前に開けておくためのもの」です。新築系の建築関係者ならだいたい知ってるものですが、僕はリノベ系なので知りませんでした。
とりあえず今回のDIYで「円形の筒」が使いたくて、最初は塩ビ管の太いやつを考えていたのですが、ホームセンターでお値段を見ると目玉が飛び出そうな金額で躊躇し、何か替わりになるものはないかとゾンビのように彷徨ってみたところ、直径125mm × 長さ2,000mmで1,000円もしないボイド管を発見して、即購入。
「余った木材置き場」に見た目のかっこよさを求めていないとはいえ、「エーワン・ボイド」と書かれた剥き出しの筒を使うは生理的に受け付けなかったので、塗装します。
以前「アルミサッシの窓枠塗装」を行った際に使用して余っていた塗料を用意し、
ボイド管に塗りつけていきますが、
塗料が全然乗らない。まるでストッキングのカカト状態。
というのも、ボイド管は「コンクリートの中から抜き取る」という本来の用途があるため、表面がツルツルしていて、塗料が上手く乗りません。
塗料の密着性を上げるプライマーやシーラーを事前に塗付すればいいのですが、そんな都合のいいものが自宅になかったので、ミルフィーユのごとく鬼の重ね塗りで対応します。
塗っては乾かし、塗っては乾かしを3~4回の行ってなんとか下地が見えなくなりました。
休みの日に「よし、今日は塗装でもすっか!」と急に思い立つタイプの人は、自宅にプライマーを常備しておくことをオススメします。
ボイド管を取り付ける
先ほど作ったボックスにボイド管を取り付けるのですが、ボイド管は素材が紙なので、ビスでの固定は不可能です。
なので、SPFの角材の余りを使用し、ボイド管を固定していきます。
ボイド管を囲うようにSPFの角材を廻し、底板にビス固定します。
足下のみの固定ですが、これで多少の衝撃では動くことなく固定されます。
これで、端材置き場DIYの完成です!
余った木材を収納できる端材置き場DIY 完成
この木材置き場ができたことで、形やサイズがバラバラで上手く片付けることができなかった端材をすっきりと収納させることができました。
ボイド管を取り付けたことで、角材や塩ビ管、寸切りボルトといった細長いタイプの端材も収納可能。3種類の長さのボイド管を取り付け、分別もできる仕様にしました。
木材置き場 Before
乱雑に置かれた木材。奥に収納するスペースがあるものの、バラバラの木材を押し込むと取り出しにくくなるため、手前に置かれ、見た目も悪い状態。
木材置き場 After
オーマイガー。
ゴミ置き場の一角のようだった木材置き場がものの見事にスッキリしました。
手前に引き出すことで、その全貌が露わに。
片手で引き出すだけで保管されてる木材の全てを見渡せるので、その時に必要な部材を選び放題、漁り放題。在庫管理も楽チン。
キャスター付きなので可動性も抜群。デッドスペースになりがちな細長い隙間にぴったり収納できました。
端材置き場DIY まとめ
恒例ですが、今回のDIYにかかった費用は以下のとおりです。
構造用合板 1,820 × 910 × 12mm | 1,200円 |
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SPF角材 | 自宅にあったため無料 |
ボイド管 125φ 2M | 950円 |
キャスター | 480円 |
ビス・塗料等 | 500円 |
合計金額 | 3,130円 |
3,000円ちょっとでこの大容量木材収納庫をゲットできたなら満足です。
DIYで端材が出るのは止められません。木材が余るのも仕方ありません。逆に、次のDIYにその端材を活かすように工夫するのも、DIYの楽しさだと思います。
「DIYでアレ作ろう!」→「木材は何が余ってたっけ?」→「端材置き場をゴソゴソ」→「よし、足りない材料を買いに行こう!」という流れでもいいですし、
「端材置き場をゴソゴソ」→「この端材とこの端材があるならアレが作れるね!」→「よし、レッツDIY!」でもいいと思います。
端材は宝です。捨てるなんてもったいないです。
皆さんも快適な端材DIYライフを!
PHOTO | YOSHIMITSU |
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CAMERA | SONY α7 III |
LENS | SONY FE 24-105mm F4 G OSS |