自宅のキッチン扉をDIYでカスタマイズすることに至った経緯を含め、賃貸物件でもDIY可能な方法で、誰でも簡単に実施することができる「キッチン扉のDIY」の全作業工程です。
Contents
キッチンの扉の見た目を変えるDIY 全作業工程
引っ越してくる前のキッチン
※事件現場でもゴミ屋敷でもありません。荷物整理の最中です。
元々おじいちゃんとおばあちゃんが住んでいたこの家。2人とも高齢で施設に入ることになり、住む人がいなくなったので、リノベーションして僕が住むことになったのですが、
この家はエレベーターのない古いビルの最上階だったため、室内の解体費用や資材の荷揚げに想定以上の費用がかかり、予算の都合上、キッチンの取替え工事ができなくなり、既存のキッチンをそのまま使うことになりまして。
お金がないので仕方ないとはいえ、キッチンの見た目がモヤモヤする。とりわけ、「キッチンの扉の色」がどうも気に入らない。
特に「黄色が嫌い」なんてことはないのですが、見飽きてるからなのか、新品ではないからなのか、どうも「古臭い」印象。
「白 × 黒 × 茶」のオーソドックススタイルが好きな僕にとって、この黄色のキッチンを見続けることは苦痛以外の何ものでもないと感じるようになりました。
キッチン扉をカッティングシートでカスタマイズ
リノベーションが終わり、僕が住み始めてまず最初に実施したDIYは、キッチンの扉にカッティングシートを貼ること。
100円ショップのSeria/セリアで見つけた「グレーベージュ」のカッティングシートを大量に購入し、夜な夜な取り外したキッチン扉にペタペタ貼っていきました。
取手もクリアハンドルから木材に変更。キッチンの取替えはできなかったけど、このDIYのおかげで見た目の不満はなくなりました。
それから、5年の月日が流れ・・・・・・
ボロが目立つようになりました。
小口に貼った布のマスキングテープは剥がれかけ、カッティングシートが縮み、下地の黄色が顔を出してくる始末。
このままでは精神的によくないので、DIYで新しい見た目にチェンジさせることにしました。
キッチン扉DIYの材料を用意する
まず用意するのは、2.5mm厚のベニヤ板。
ベニヤ板自体は水に強い素材ではないですが、我が家のキッチンは湿気がこもる間取りではないですし、表面を塗装することで撥水性能が高まり、キッチン程度の水場での使用ならば問題はないです。
キッチン扉のすべてのサイズを測り、ホームセンターでベニヤ板を買う時にカットしてもらいます。
カットオーダーは、
このように図面にして持参すると話が早いです。というか、いくらベテラン店員さんでも、図面がないとこの量のカットはさすがに難しいと思います。図面は手書きのものでもちろん大丈夫です。
図面を作る時、できるだけカット数が少なくなるようにパーツを配置するのもポイントです。「1カット30円」という料金的な意味ももちろんありますが、店員さんの労力的にもカット数が少ない方がいいと僕は考えてます。
見てわかるとおり、全部のパーツを合わせると、1820mm × 910mm(サブロク板)のベニヤ板2.5枚分です。なかなかの量です。(カットで2時間くらい待ったのは初めてです。店員さん、ありがとう。)
材料を塗装する
次は、塗装。
過去のDIYで使用して余っていたブライワックス(ミディアム・ブラウン)で塗装していきます。
ブライワックスは手に付いても洗えば取れるものですが、爪の中に入るとイヤァァァアアアッ!!となるのでゴム手袋を着用し、木目の向きに沿って塗料を塗り込んでいきます。
量があるのでなかなか大変です。
ただ、これから毎日、毎日、何年も見続けていくものになるので、1枚1枚丁寧に根気よく塗り込んでいきます。
「厚塗り」はムラになりやすいので厳禁です。
薄塗りで均等に塗り進めていきます。
僕が汗ダラダラで塗装している最中、助手のミス・キャピタルはヤクザなおっさんが出る漫画を読みながらケラケラ笑ってました。
不届き者だと思います。
途中で幾度となく休憩をはさみつつ、なんとかすべてのベニヤ板の塗装が完了。
燃え尽き症候群になりかけたのですが、このDIYはここからが本番です。
キッチン扉の油汚れを落とす
ベニヤ板の固定方法は、「取手を利用したビス止め固定」と、「両面テープおよび一部ボンドを併用した圧着固定」となるのですが、両面テープは油分にとても弱く、接着力が著しく落ちてしまうので、両面テープを貼る前にキッチン扉の油汚れを全力で落とします。
使うのは、コスパのいいパーツクリーナー。
パーツクリーナーは自転車やバイク、車などの油汚れを落とすパワーがあるので、キッチン扉の油汚れなんて瞬く間に落ちていきます。
炒め物などの油でヌルッとしたキッチン扉も、パーツクリーナーで拭いたあとは指がキュッと止まります。
ベニヤ板をキッチン扉に貼っていく
今回、ベニヤ板の圧着に使うのはDIY御用達「ニトムズ 超強力両面テープ」です。接着力が強い上、幅20mm、長さ20mで350円程度。コスパもいい両面テープです。
まずキッチン扉に付いている「取手」を外します。
取手(というか僕がDIYで取り付けたただの木の角材)は扉の裏側からビスで止めているだけなので、ビスを外せば簡単に取れます。
次に、両面テープを取り付けていきます。
ベニヤ板が剥がれてくるとしたら端からになるので、端が浮かないように四方はきっちり貼ります。
また、ベニヤ板は湿気に弱く、反りが出る可能性があるので、真ん中が浮いてこないように真ん中にも両面テープを取り付けます。
キッチン扉のサイズぴったりにカットされ、美しく塗装されたベニヤ板を用意し、
圧着して貼り付けたあと、取手を取り付けます。
両面テープだけの固定だと湿気等で剥がれてくる可能性がありますが、取手は裏側から2本のビスで固定され、ベニヤ板がサンドイッチされている状態になっているので、ベニヤ板が剥がれ落ちてくることは絶対にありません。
同じ要領で、他の扉にもベニヤ板をどんどん貼り付けていきます。
両面テープを貼り、
ベニヤ板を貼り、
取手を取り付ける。
誰にでもできる簡単なDIYなのに、見た目がどんどん変わっていきます。
賃貸のキッチン扉にベニヤ板を貼る方法
僕の家は賃貸ではないですし、すでにキッチンの扉にカッティングシートを貼っているので、そのまま両面テープを直張りしても何の問題もないのですが、一般的な賃貸物件の場合は、強力な両面テープを直貼りすることはちょっと躊躇してしまうと思います。
両面テープの跡が残ったり、両面テープが強力すぎて剥がす時にキッチンの扉を傷つけてしまったりしたら退去時の原状回復で大金を請求されるんじゃないかと心配になります。
そんな時、まず用意するのは養生テープ。
この「養生テープ」そのものは粘着力が強くないため、貼って剥がす時に下地(今回はキッチン扉)を傷つける心配がほとんどありません。
「粘着力が弱いならすぐ剥がれてしまうんじゃない?」と思いがちですが、養生テープは両面テープに比べて幅広で、接地面が大きく、線ではなく面でくっつくようになるので、軽量物であれば下地材として意味を成します。
また、長年貼った養生テープを剥がした時に糊がこびり付いていたとしても、上記で紹介したパーツクリーナー、もしくは無水エタノールを使って拭き取れば、多少の時間と労力はかかりますが、糊はほぼきれいに取れます。
賃貸物件の場合は、この養生テープを「下地材」として使います。
ベニヤを貼り付けていく方法は、下記のとおり。
ベニヤ板を取り付けるのは吊戸棚の真ん中部分。
面積がそこそこ大きいくせに、「取手」が付いてないので裏面からビスでの固定ができません。両面テープ貼りだけの固定だと、時間の経過で落下してくる可能性があります。
包丁を持って調理してる最中にこの大きさのベニヤ板が落ちてきたら大怪我に繋がる可能性もあり、ここはきっちりガッチリ固定しておきたいところ。
なので、
パーツクリーナーで油汚れを完全に除去してから、
まず、養生テープを貼ります。
次に、今貼った養生テープの上に、両面テープを貼ります。
これだけだと落下の不安が残るので、
両面テープが貼られていない部分の養生テープの上に、養生テープからハミ出さないように「接着剤(ボンド)」を塗ります。
「両面テープ + 接着剤」の圧着工法はキッチンパネルなどを固定する時にも使用される工法で、こうすることで、両面テープの接着が弱くなっても接着剤がカバーし、落下してくる危険を減らせます。
また、養生テープが下地になっていて、キッチン扉に直接接着剤が付くわけではないので、原状回復も簡単に行えます。
そのあと、ベニヤ板を貼り付けます。
接着剤が乾燥するまでに少し時間がかかるので、浮いてこないように四隅をテープで固定しておくと効果的です。
残りの扉にもベニヤ板を貼りつければ、キッチン扉のDIYは完成です。
キッチン扉DIY 完成
キッチン扉 Before
キッチン扉 After
キッチン扉DIYのまとめ
今回のDIYにかかった費用は以下のとおりです。
ベニヤ板 1,820 × 910 × 2.5mm 3枚分 | 3,750円 |
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ベニヤ板 カット代 | 1,080円 |
両面テープ・養生テープ・塗料等 | 1,300円 |
パーツクリーナー | 200円 |
合計金額 | 6,330円 |
キッチンのリフォームをしたら何十万円というお金が必要ですが、このDIYなら既存のキッチンの見た目を「1万円以下」で簡単に変えることができます。
僕の自宅のキッチンは妙に横幅が長いのでベニヤ板が3枚必要でしたが、ほとんどのキッチンは「ベニヤ板2枚」でDIY可能だと思います。キッチンのサイズによっては5,000円以下でのDIYも可能です。
賃貸のキッチンを取り替えることは容易ではありませんが、味気ないキッチンを自分好みの見た目に簡単に変えることができるこのDIY、おすすめです。
PHOTO | YOSHIMITSU |
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CAMERA | SONY α7 III |
LENS | SONY FE 24-105mm F4 G OSS PENTAX 50mm F1.8 |