昨年末に「ミシン」を買ったのはいいのですが、机の上にずっと出しっぱなしにしておくと邪魔。使わない時は「机の上」じゃないところに片付けたい。全力で片付けたい。
かと言って、使用頻度が高いので、物置や押入れの中に入れてしまうと出すのが面倒くさい。見た目のサイズとは裏腹にミシンってすごい重いし。鉄の塊だし。
だもんで、
「机の下の空間に簡単にスッキリ収納できないか?」と考え、ミシン本体はもちろん、ミシンに関連するグッズも全部まとめて収納できる「木製ボックス」をDIYで製作することに決めました。
「こんなのが欲しい、をカタチにする」
某大手企業のキャッチコピーみたいですが、DIYならそれが自分で実行できちゃうんです。
Contents
自分が欲しいサイズの蓋付き収納ボックスのDIY
材料を用意する
まず、蓋付き木製収納ボックスをDIY製作するための材料を用意します。
今回チョイスしたメインの材料は、12mm厚の構造用合板。910mm×1,820mm(3×6板/サブロクバン)サイズで1,200円くらいで購入できるDIYer御用達の合板です。
キッチンワゴンをDIY製作した時に使ったSPF板や、どのホームセンターでも確実に手に入るパイン集成材などもよく使いますが、今回は値段を抑え目に、構造用合板で製作していきます。
構造用合板を購入する際、ホームセンターのカットサービスを利用すると便利です。
お店の会員になると「購入した商品を10カットまで無料サービス」を行っているホームセンターもあるので、すぐさま会員になってお得に利用しちゃいましょう。
木材を箱状(ボックス)に組んでいく
今回の収納ボックスDIYで大活躍するのが、この「コーナークランプ」です。
ボックス作りを簡単にするコーナークランプ各種
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こいつを用意したらもう完成したと言っても過言じゃないです。
このコーナークランプを使えば、「誰でも、簡単に、正確に」木箱が組めます。箱だけでなく、棚作りなどにも使用できますし、1個800円くらいで売っているので、DIYを趣味にしたいなら絶対に買って損はない工具です。
最初に組む2枚の板とコーナークランプを用意し、
直角になるようにコーナークランプで挟んで固定します。
「直角になるように」と言いましたが、コーナークランプを締めていくと自然と直角になるので、角の位置だけ確認しながらゆっくりと締めていけばいいだけです。簡単すぎてアクビが出ます。
板を直角に固定できたら、ビスを打ちこんでいきます。
製作前は、「毎回ビス使ってて飽きてきたから今回は”釘”を使おうかな!古き良きアンティーク感とか演出しちゃおっかな!」とか思ったんですけど、この木製収納ボックスには、下手な持ち方すると腰をイワす(痛める)レベルの重いミシンを乗せるボックスなので、健康面を考慮し、おとなしく締めつけ力の高いビスを選択しました。
とはいえ、ビスの主張を極力抑えたかったので、ヘッドが小さくてスリムな「ミニビスJS フレキ32」を使用。可愛らしいビスです。
1辺に4~6本程度のビスを打ち込んでいきます。
フフンフーン♪と鼻唄まじりに打ち込んでいくと、
「このビス細めだから、下穴は空けなくてもいいかな!」
と横着したら、ソッコーで折れました。
このCLUTのDIY記事の中で、今まで散々「ビスを打つ前の下穴の大切さ」について語ってきた僕自身が、下穴なしでビスを折るなんて言語道断。世が世なら切腹ものです。
平成でよかった。
僕の中の思考回路は、「細いビス → 木への負担が少ない → 木は割れない → 下穴は無しでいいか!」だったのですが、それは間違いで、「細いビス → ビスの強度が弱い → 下穴が必要でしょ!」と考えるのが正解でした。ここは素直に猛省します。
気を引き締め、真剣な面持ちでビス打ちを再開します。
ひとつひとつ丁寧に下穴をあけて。
ひとまず木箱が完成。
写真だけだと順調に進んだように見えますが、実はその後も3本ほどビスを折りました。
ちゃんと丁寧に下穴を空けてビス打ったのに。
上記の作業から導き出される結論は、「細いビスは、折れる時は折れる。絶対に折りたくないなら、太いビス使え。」ということだと思います。
「折れたビスをペンチで抜く作業を何度も繰り返すと握力が死んでしまう」ということも新たな発見だったので、今回のDIYは学ぶことが多いDIYとなりました。
表面を電動サンダーで磨く
角をピッタリと合わせて収納ボックスを組みましたが、どうしても若干の段差が出るので、電動サンダー(ヤスリ掛け工具)でその段差を削っていきます。
と同時に、このあと収納ボックス全体の塗装を行うので、平面部分も満遍なくツルツルになるように磨いていきます。磨くと磨かないじゃ塗装後の美しさに大きな差が出てしまうので、ここは妥協せずにしっかりと磨いていきます。
圧倒的時短でツルツルに!電動サンダー各種
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ボックスの内側ももちろん漏れなく磨いていきますが、どうしても電動工具が入らない部分があるので、そこは手ヤスリで研磨していきます。
電動サンダーを持ってない人は、全部手ヤスリでがんばれば大丈夫です。
収納ボックスを塗装する
ホームセンターで板をカットしてもらう際、スタッフの方が善意で「余った端材はいかがいたしますか?こちらで処分いたしましょうか?」と言ってくることが多々ありますが、
僕は笑顔で「いや、全部持って帰ります。」と答えながら、心の中では「処分とか言うなコノ野郎!端材は宝だ!」といつも思ってます。
ただの「貧乏性」なのですが、DIYで物を作っている時にちょっとした端材が役に立つシチュエーションはよくあります。「DIYあるある」です。僕は今まで端材に何度助けられたことか。もし端材がなかったら、僕はこの世に存在してないと思います。
今回もカット時に出た端材をニヤニヤしながら持って帰っていたので、組み立てた収納ボックスの塗装を行う前に、「塗装の色チェック」をしてみました。
自宅の倉庫の中で保管していた下記の3種類の塗料を塗ってみました。
- ブライワックス(ラスティックパイン)
- ヴィンテージワックス
- ワトコオイル(ナチュラル)
②のヴィンテージワックスは3年くらい前に購入したもので、当時はもっと明るい色だったような記憶があるのですが、今回塗ってみるとかなり黒味がかってて、腐ってるバナナみたいな質感でした。大丈夫なんか、これ。
試し塗りをせずにこれをチョイスして本番の収納ボックスに塗ってたとしたら、あまりにショックすぎて暗黒面に闇落ちしてたかもしれません。あぶなかったっす。
残りの2色は大差なく、①のブライワックスが黄色寄りのナチュラル、③のワトコオイルが赤色寄りのナチュラルで、どちらにしようか真剣に5秒くらい悩んで、今回は床の色に近い①ブライワックス(ラスティックパイン)をチョイス。
DIYの定番かつ王道の塗料!ブライワックス各種
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いらなくなったTシャツをハサミでカットした自家製ウエスに塗料を付け、全体にのばしていきます。
ウエスを使っての塗装は、「ゴム手袋」必須です!
全体に塗料が行き渡ったら、きれいなウエスで磨くように拭いていきます。
裏面は見えない部分ですが、完成度の高いDIYを目指しているので、丁寧に塗りこみます。
数時間乾燥させたのち、再度塗料を塗っていきます。
俗に言う、「二度塗り仕上げ」です。
外側、内側含め全体の二度塗りが完了したら、再び乾燥タイムです。
一般的なDIYではこの時点で完成でいいと思うのですが、今回は中に荷物を入れる「収納ボックス」ということで、もう一手間付け加えておきます。
乾燥すると完全に硬化する塗料とは異なり、ブライワックスは完全に乾燥させても「100%色移りしなくなる塗料」ではありません。
そんなブライワックスが塗られた収納ボックスの中に長時間荷物を入れておくと、接触している部分に塗料が付着する可能性が高く、開けてびっくり玉手箱(顔面蒼白)状態になりかねません。
その色移りを防止するため、クリアワックスを塗布して表面を保護します。
クリアワックスは見た目が透明なので、塗られた部分と塗られてない部分の判断が難しいので、一面ずつ確実に塗布していきます。
荷物を入れる収納ボックスの中を中心に、塗り残しがないようしっかりと塗っていきます。
蓋になる板への塗布も、お忘れなく。
収納ボックスの蓋にズレ防止を施す
今回の木製収納ボックスの蓋は、「上から乗せる」だけのシンプルな構造を選択したのですが、ただの板を置くだけではちょっとした衝撃でズレてしまうので、内側部分に引っ掛かりとなる段差をつけるための板を取り付け、ズレ防止を施します。
ズレ防止で取り付けた板は、捨てずに取り溜めていた「端材」です。
こういう時に端材が役立ちます。
移動が簡単になるキャスターを取り付ける
未経験者が行う「はじめてのDIY」に最適ともいえる、キャスターを付ける作業。僕のDIY初体験も「市販されてる三段ボックスにキャスターを付ける」だったような気がします。
(三段ボックスにビスが効かなくて初体験は未遂だったような気が)
今回の木箱は板厚が12mmと薄いので、取り付けるビスの長さには注意を払います。
「下穴教」の信者になったので、下穴は絶対に空けます。とはいえ、勢い余ってズボッ!と貫通させないように気をつけます。
キャスターが付くと移動がラクラクです。
リードを付けてあげれば散歩にも連れていけますが、不審者として通報されるリスクがあるので完全な自己責任でお願いします。
蓋に取手を取り付ける
蓋のサイズを収納ボックスよりも一回り大きめにカットし、蓋の端の段差に指を引っ掛けることで蓋の開け閉めを簡単に行うことができる構造にしたのですが、
「蓋を閉める時に指を挟んで爪の中が内出血するリスク」があると気付いたので、リスクゼロで開け閉めできる安全な取手を取り付けていきます。
曲線が美しいアンティークハンドル。
自分の好みで選び放題!アンティークハンドル各種
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手作りのためか、全体の長さや曲線のサイズが1本1本違うので、できるだけ似たサイズの2つを購入して取り付けます。
真上からビスを打って止めれば、「ミシン用 蓋付き木製収納ボックスのDIY」、完成です!
ミシン用 蓋付き木製収納ボックスのDIY 完成
今回の蓋付き木製収納ボックスは、「JUKIのミシン」のための収納ボックスでした。
構造用合板で組んだボックスは頑丈で、重たいミシンを乗せてもビクともしませんし、キャスターを付けてるので移動も簡単。このまま机の下の空間にスッポリと収納することができます。
ミシンを置くのに邪魔にならない位置に取り付けた取手を持って蓋を開けると、
ミシンを操作するフットペダルや、脱着可能なワイドテーブルをも収納できる大容量の空間が登場。
収納したい物を最初に決め、そのサイズに合わせて作ることができるDIYだからこそ、満足度の高い収納ボックスを手に入れることができるのです。
当然、ミシン糸や布の端切れなども収納可能で、この収納ボックス1つあれば、「動く洋裁工房」として全国に出稼ぎに行けます。
収納ボックスDIY まとめ
無駄な装飾を削ぎ落としたシンプルな見た目はもちろん、使用感、サイズ感共に自分が欲しいと思った完璧な木製収納ボックスを作ることができたので大変満足です。やっぱりDIYって素敵。
恒例ですが、今回のDIYにかかった費用は以下のとおりです。
構造用合板 1,820 × 910 × 12mm | 1,200円 |
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取手 | 800円 |
キャスター | 480円 |
ビス・塗料等 | 500円 |
合計金額 | 2,980円 |
インターネットで「木箱 通販」と検索するとわかるのですが、安い物でも2,000円から3,000円、高い物だと万単位の価格で販売されているので、この価格には大変満足です。
欲しいサイズで、欲しい形状。蓋付きで、キャスター付きで、アンティークハンドル付き。それら全部がついたボックスを格安で手に入れることができるDIY。
この木箱にステンシルで文字を描くとオリジナリティが増しますし、古めかしいシールをベタベタ貼ってイギリスのデコトランク風にしてもおしゃれだと思います。
自分の好みに合わせて作れるDIY収納ボックス。
木箱製作はDIYの基本要素が体験できるので、DIYに興味がある人は是非作ってみてください。
PHOTO | YOSHIMITSU |
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CAMERA | SONY α7 III |
LENS | CANON EF24-70mm F2.8L II USM SONY FE 24-105mm F4 G OSS |