猛烈な酷暑だった夏が終わり、肌がビシビシと悲鳴をあげる寒い寒い「冬」がやってきます。
「冬」といえば、身も心も温めてくれる「暖房器具」。極寒の屋外から家に帰った時、部屋が暖かいだけで「幸せ」を感じられたりするものです。
ただし、「身も心も温まるけど、財布の中が寒くなる」なんてのはダメです。
「ふところ具合が寒すぎて凍死」なんてニュースは見たくありません。
暖房器具は、現在主流となっているエアコンをはじめ、速暖性の高い石油ファンヒーター、根強い人気のストーブ、その他にもハロゲンヒーターやオイルヒーターなど、沢山の暖房器具がありますが、その中でも電気代(燃料代)が最も安い暖房器具といえば、
そう、「こたつ」です。
「こたつ」は、電源を入れたすぐは1時間30円程度のパワーを使用しますが、こたつの中が暖まると1時間で2~3円程度の電気料金となり、この金額は、数ある暖房器具の中で群を抜いて安い金額です。
僕は自宅で、暖房器具業界の中では速暖性が最も高い「ガスファンヒーター」を使用していますが、ガス料金が高いのなんの。冬になるとガス代が跳ね上がるのなんの。凍死寸前でやんの。
ガス料金の請求書が届くたびに膝から崩れ落ちそうになる日々に嫌気がさしたので、これを機会に、リビングのローテーブルをDIYでこたつ化する一大決心をしました。
Contents
既存のローテーブルを「こたつ化」するDIY
この写真のローテーブルは、僕の家にあるローテーブル。
図面を描き、試作品を作って改良を重ねた上でおよそ1年前にDIYで製作したもので、天板部分は最新の左官素材「モールテックス/mortex」を塗布しています。
左下にはテレビやエアコンのリモコン、右下にはティッシュケースがそれぞれ収納でき、機動力の高い大きめのキャスターを取りつけたことで部屋中を楽に引きずり回すことができる完全オリジナルなローテーブル。
愛着が湧きすぎて死んだ時に棺桶に入れてほしいローテーブル。
今回はこのローテーブルを「こたつ化」していきます。
「こたつヒーター(こたつユニット)」を用意する
今回僕が購入したのは老舗暖房器具メーカー「YUASA」の「U字ハロゲンタイプ」のこたつヒーターです。
YUASA/ユアサ こたつヒーター各種
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箱の中には、こたつヒーター本体と、サイズ調整用のスペーサー、手締めボルト4本と、スペーサー取付用のビス4本、手元コントローラー付き電源コードが入っています。
昔のこたつに比べると、厚みがすごくスリムになってる印象です。
取替え用 こたつユニットの種類
取替え用こたつユニットは主に、「ハロゲンタイプ」と「石英管タイプ」の2種類がありますが、ぶっちゃけ大きな違いはありません。600W同士であれば基本的に電気料金は同じですし。
まぁ、しいて違いを挙げるとしたら、「速暖性能の違い」でしょうか。発熱性能の差なのか、石英管タイプに比べてハロゲンタイプの方が暖まる速度が若干速いようです。
それに伴いお値段も1,000円程度高くなりますが、僕はせっかちで速さにこだわる男なので、今回の「こたつ化」には、ハロゲンタイプを選びました。
余談ではありますが、購入後に気付き、残念すぎてテンションが急降下してしまったのが、ヒーター本体のカバーの色が「濃紺」だったこと。
光の当たる角度によっては「黒」に見えるのですが、時折ひょっこりと濃紺が顔を出します。すごく腹立たしいです。僕は青色や紺色といった青系統の色が苦手で、青系統のものが自宅にあるとサブイボが立ちまくるので、黒、もしくはグレーにしてほしかったです。
YUASAの開発担当者さま、今後はどうか「黒」か「グレー」でお願いします。
スペーサーを取り付ける
こたつヒーターには「スペーサー」と呼ばれるプラスチックのバーが2本付属しています。
このスペーサーの役割がわからなかったので、取扱説明書を読んでみました。
内容を要約すると、「こたつの骨組み側には数種類の規格があり、その規格によっては、このスペーサーを取り付けて調整してくださいね」というようなことでした。
このこたつユニットはあくまで「取替え用」なので、既存のこたつのどの骨組みタイプにも当てはまるようにスペーサーが用意されてるわけです。
ただ今回は、元々こたつではない普通のローテーブルを「こたつ化」するのが目的なので、既存の骨組みなんてものはありません。
「じゃ、いらないね。いらないなら捨ててしまえ!」とも思いましたが、無駄にゴミを出すのは地球環境によくないので、地球に優しい僕は、スペーサーを取り付けて組み上げることにしました。
付属のビスをスペーサーの穴に入れ、こたつヒーター本体に締め付けていきます。
ドライバー1本あれば、子供からお年寄りまで誰でもできる簡単な作業です。
見た目はあまり変わりませんが、両サイドにスペーサーが取り付けられました。
こたつヒーターをローテーブルに取り付ける
次は、こたつヒーター本体をローテーブルに取り付けていきます。
前述した通り、このローテーブルには骨組みがないので、骨組みとなるものを用意します。
今回は、過去にDIYで使った「木材の余り物」を使っていきます。我が家のDIY倉庫を漁ると「18mmの角材」があったのでそれを使います。エコです。エコロジストです。地球に優しすぎる男です。
このこたつヒーターには「手締めボルト」が付属していたので、せっかくならそれを利用しようと考え、手締めボルトが通るバカ穴(ボルトよりも少し大きい穴)を空けることにしました。
スペーサーにある手締めボルトが入る穴の位置を確認し、骨組みとなる木材にマーキングして、そこにバカ穴を空けていきます。
手締めボルトの直径はパッと見「2.5mm」くらいで、僕の手元にある錐も2.5mmだったので、一度貫通させてからグリグリやって穴を少し広げてやりました。
3.0mmや3.2mmの錐があれば一発単純に空けただけでバカ穴が完成するのですが、ぴったり合う道具がないならないなりに対処していくのも、DIYの楽しさであり、醍醐味の1つです。
バカ穴に手締めボルトを通し、スペーサーに固定していきます。穴の位置がずれると手締めの時にすごく力が必要になるので、できる限り正確な位置に穴を空けた方がいいです。
手締めボルトで4箇所固定したら、「骨組み」は完成です。
次は、その骨組みをローテーブルにビスで固定させて・・・・・・
と本気で考えていたのですが、ふと思いました。
これ、火事になるやつじゃね?
このまま固定すると、強烈な熱を発するこたつヒーターの裏面と、天板の裏板がぴったりくっついた状態になり、熱々のこたつヒーターの熱が直に天板の裏に・・・・・・
あっ、これ、マジで火事になるやつだわ。
このこたつユニットはあくまでも「取替え用」で、取扱説明書には「既存の骨組みに取り付けてください」とは書かれてますが、「骨組みのない板には、こうやって取り付けてください」とは一切書かれてないので、僕は危うく「家なき子」になるところでした。
とりあえずこのまま進めていくとヤバいので、人間の英知が結集されたインターネットでいろいろ調べてみたところ、市販されているこたつには、ヒーターを取り付ける部分に「ハードボード」と呼ばれる燃えにくい素材を使用していることがわかったのですが、そんな素材は我が家のDIY倉庫の中にはない。
「MDFボードで代用可能だよ!」と書いてあるサイトをいくつか見ましたが、MDFボードも我が家のDIY倉庫にはない。
「100均に売ってるよ!」とも書いてありましたが、買いに行くとエコ感が減る。廃材で作らないと地球に優しくない感じがする。エコロジストの名が廃る。買いに行くのが面倒くさい。
ということで、無い知恵絞って考えました。
要するに、
「ヒーターと天板を引き離せばいいだけじゃろが。」
解決策が見つかったなら即実行です。
DIY倉庫から廃材を探します。
普通の人が見たらただのゴミでしかない廃材たち。
僕の目には、「アタイみたいな役立たずのゴミクズが、日本文化の最高峰のこたつさんの一部に生まれ変われるなんて感激ですぅ!!」と嬉しがってるように見えます。頭おかしい。
さて、最初に骨組みとして使用した18mmの角材がまだ余っていたので、これを使ってヒーター本体と天板の間に空間を作ります。
スペーサーに取り付けた骨組みの下に廃材をかまし、ヒーター本体と天板の間に空間を作ります。
これでヒーターと天板の間に角材1本分となる「18mm」の隙間が確保されました。
これは独自調査なので正確ではないかもしれませんが、市販のこたつの「ヒーターと天板の隙間」はだいたい12mm~15mm程度になっているので、「18mm」あれば安全だと思います。
僕は完全なる自己責任で行っているので取り付けてませんが、もちろん、「ハードボード」の取り付けも推奨です。一部のホームセンターに取り扱いがあるようです。
泥棒は全部を盗みませんが、火事は全部を奪います。気をつけて!
それでは、こたつヒーター本体をローテーブルに固定していきます。
固定したい場所に廃材である18mmの角材を置き、その上にヒーター本体に取り付けた骨組みの角材を重ね、上から錐で垂直に下穴を空けます。
これくらい細い角材だと、下穴を空けないと木材が割れる可能性が非常に高いので、下穴は絶対に空けた方がいいです。
空けた下穴にビスを打ち込んで固定していきます。
今回のDIYでは、約27mmの厚みのローテーブルの天板に向け、18mmの角材2本分の厚みを貫通させて固定するので、ビスの長さは最低50mm以上のビスが望ましいです。
ビスについての小話
日常生活で50mm以上のビスが必要になることはほぼないのですが、DIYを頻繁にやってると、ふとした瞬間に長いビスが必要になることがあります。わりとあります。
DIYが大好きな僕は、そんな不測の事態にも余裕な顔で対応するため、ビスの収納ケースを3つ持っていて、12mm~90mmのビスを常時確保してます。
そんなビス収集家の僕でも、ちょうどいいビスがない緊急事態に襲われることがありますが、そういう時は、木材から飛び出してしまう長いビスを、ニッパーやベビーサンダーで短くカットして使用したりします。
ちょうどいいビスがない、でも買いに行くのが億劫、でも今すぐ作りたい!
そんなクソわがままな人ほど、手元にあるものでどうにかできないか考え、あの手この手で対応していき、ふと気が付けばDIYの技術が上がっているものなのかもしれません。
四方すべてをビスで固定したら、ローテーブルを「こたつ化」する全作業工程の完了です。
ローテーブルの「こたつ化」DIY 完成
まるで「犬の腹見せポーズ」状態のローテーブル。
この何もなかったお腹の上に、
こたつヒーターが装着されました。
なんかドローンみたいに空とか飛びそう。
念願だった「こたつ化」を祝いまして、これより「こたつの点灯式」を行います。
それでは、3、2、1、電源、オン!
人の心を癒してくれる暖色系の光。五感のすべてで感じるぬくもり。あぁ、あたたかい。
僕の瞳には「神戸ルミナリエのイルミネーション」よりもキレイに映ってます。
この天板裏は使用時に見える部分ではありませんが、見た目もスリムで、数少ない部材でスッキリと取り付けることができました。
写真では伝わりませんが、電源を入れるとふんわりと温風を放出してくるので気持ちいいです。
家なき子になる危険を感じた「火災疑惑」についてですが、電源を入れた状態でヒーター本体と天板の隙間に手を入れてみたところ、発火や引火するような温度にはなっていなかったので、ひとまず「大丈夫」だと判断しました。
このまましばらく使用し、天板の裏にコゲたような変色がないか、コゲ臭い匂いが出ないかどうかを確認していこうと思います。
なんの変哲もないローテーブルに、
もふもふのこたつ布団を被せ、
天板を置けば、「ローテーブルをこたつ化するDIY」の完成です。
あたりきしゃりきですが、この「こたつ天板」も完全手作りのオリジナル天板でございます。
実際にウッドデッキの床として使用されていたリブ材(滑り止めを目的に細い溝が沢山掘られた素材)の古材を、「こたつ天板」にリメイクしたものです。
どの角度から見ても、こたつ布団と古材天板のハーモニーが美しい。
もはや、ただ見てるだけで体温が上昇してくるレベル。
こたつの中に入る必要なんてないんじゃないでしょうか。
もしかしたら「こたつ」は、史上最高の暖房器具なのかもしれません。
「こたつ化」DIYのまとめ
ホームセンターで買い物をしてる時にふと目にとまってしまった「こたつユニット」のせいで、今回急遽実施することになった「こたつ化」のDIYでしたが、とても簡単で、誰でもできる画期的なDIYだと思いました。
毎度恒例になりますが、今回のDIYでかかった費用は下記の通りです。
こたつユニット | 5,980円 |
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骨組み木材 | 0円(廃材のため / 買うと500円くらい) |
ビス | 100円 |
DIYこたつ天板 | 3,500円 |
こたつ布団(大判) | 5,990円 |
合計金額 | 15,570円 |
「包み込まれたい願望」に負けてしまい、こたつ布団を大判にしたことで値段が上がってしまったことと、こたつ天板材料費が地味にかかってしまい、さすがに「1万円以下」に抑えることは難しかったです。
ただ、こたつユニットは一番安いものなら3,980円くらいで売ってますし、天板をコンパネ+塗装にすれば1,500円くらいですし、こたつ布団も小さくていいなら3,000円くらいで売ってるので、既存のローテーブルのサイズによっては、1万円以下でのDIYも十分可能かと思います。
まぁ、1万円以下にする必要なんてないんですけども。
個人的なイメージで恐縮ですが、昔のこたつは「The 実家」みたいなのとか、「じーちゃんち」や「ばーちゃんち」みたいなのばかりだった気がしますが、最近は「おしゃれなこたつ」もすごく増えています。
「北欧風」だったり、「ブルックリンスタイル」だったり、オフシーズンには「おしゃれなローテーブル」として使えるものも数多く販売されています。
それらを購入して「こたつ」で暖を取るのもアリですが、今使っているローテーブルが気に入っているものだったり、費用を安く抑えたいのであるなら、自宅のローテーブルをそのまま「こたつ化」してしまうのも僕はアリだと思います。
今年もまた、寒い寒い冬がやってきます。
ただ今年は、家に帰るのがちょっとだけ楽しみな冬になりそうです。
PHOTO | YOSHIMITSU |
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CAMERA | SONY α7 III |
LENS | EF24-70mm F2.8L II USM |