今回ご紹介するのは、光・音・布を使った独自の世界観を展開する「仕立て屋のサーカス」。
約2時間(広島公演の場合)という限られた時間の中で、ファッションデザイナーの”スズキタカユキさん”が即興で洋服を仕立てながら、音と光と布の競演を楽しむといった内容の公演。
公式サイトを見ただけではどんな内容の公演なのかイメージ湧かなかったんですが、行ったら想像超えてきます。例えるなら「狂ってるけど優しく浸れる世界」。
ちなみに、この「仕立て屋のサーカス」を知るきっかけになったのが芸術大好きでお馴染みの妻。
妻に誘われた時「ん?仕立て屋のサーカス?仕立てるの?仕立てないの?サーカスなの?ライオンでるの?」といった感じで質問してたら、ボッコボコにされました。ボッコボコ。
というわけで、妻に引きずられながら行ってきました「仕立て屋のサーカス」。
写真、動画取り放題、営利目的で使い放題、という超珍しい公演と聞き、首にカメラ下げて撮りまくりました全600枚。
※公演中は照明が点いたり消えたりしてるんで500枚くらいはまともに撮れてません。
ではここで、「仕立て屋のサーカス」をもうちょっと詳しくご紹介。
Contents
「仕立て屋のサーカス」ってなに?
「仕立て屋のサーカス」は、ファッションブランド「suzuki takayuki」のデザイナーでもある”スズキタカユキ”を中心に、音楽家の”曽我大穂”と”ガンジー”、照明作家の”渡辺敬之”によって造り出されるサーカス。
演劇のように演じるのではなく「動きの真実を見せること」をコンセプトにしており、1回1回、公演の内容が異なるといった点も魅力の一つ。2回公演両方行っちゃうのもありですね。
また、日本だけでなく、スペイン・マドリードで公演を開催するなど世界的にも活躍しています。
ちなみに、広島で開催するのは今回が初。幟町にある「愛宮ラサール記念館 2F ホール」で開催。
詳しくは公式サイト「circo de sastre-仕立て屋のサーカス」をご覧ください。
仕立て屋のサーカス in 広島
当日は西日本観測史上最大の大雨。
各地で大きな災害が発生するなど、正直遊びに行くのを躊躇するほど。
実際「仕立て屋のサーカス」のみなさんも、出演者以外のメンバーは広島に到着できず、開催未定のまま当日に。
当日の午前中まで話し合われ「今日を楽しみにしている方のために公演を行いたい」ということで開催が決定し、お昼ごろに開催決定のメールいただきました。
色々なご意見があるとは思いますが、開催していただき感謝です。
また、雨の影響によって来れない方のチケットは”全額払い戻し”という素晴らしい対応もあり、うちでは「さすが!」と称賛してました。
ということで、今回は来ることができなかった方にも是非見ていただきたい「仕立て屋のサーカス in 広島公演」です。
17:30~ 「仕立て屋のサーカス」開場
開場したのは17:30。
公演開始が19:00~ということを考えると開場時間が早いような気がしますが、席が指定では無いため“いい席”を取りたい方は開場前に行くのがベスト。
実際に私たちが到着したのは18:00頃でしたが、最前席はほとんど埋まってましたね。
● 写真は会場到着直後の様子
席は子供用に小さな椅子やベンチ、そして、床。
床といったみ地べたではなく、布が敷き詰められているスペースに小さな座布団が置いてあり、寝ころびながら見るのもOKという斬新なスタイル。
そのうち一部は「親子席」と書いてあり、子供と一緒に楽しめるようになってます。ちなみに、18歳以下は無料という太っ腹対応もさすがです(チケットは必要です)。
そして、「仕立て屋のサーカス」の会場には飲食店や物販などのお店も出店しています。
18:15~ 開演前に食事とビール
当日は8店舗出店する予定でしたが、大雨の影響で2店舗だけの出店。
写真の食事はバターチキンカレーが絶品としてお馴染み「nandi / ナンディ」さんが、「仕立て屋のサーカス」をイメージして用意したベジタブルフード。
味付けは”ハーブを混ぜた塩”のみと超シンプル。女性が好みそうな味でした。個人的にはカレーが食べたかったー。
ビールは、「インドの青鬼」と「スカ / モダス ホッペランディ」の2種類。どちらもクセのあるビールで苦くて爽やか。
そして、もう一店舗は、本川町にある本屋「リーダンディート」。
こちらも「仕立て屋のサーカス」のイメージに合わせた本をいくつか選んでおいてありました。
その他に、ファッションデザイナーの”スズキタカユキさん”がデザインした洋服も販売。
19:00~ 「仕立て屋のサーカス」第一部 開演
中央に置いてあるのは古びた椅子と音楽機材。今回の公演の中心。
そして、開演。合図などがあるわけではなく静かに始まります。
いつの間にか登場しているファッションデザイナーの「スズキタカユキさん」。
その後、ブーブーと音をたて、お客さんにアメを配りながら登場する「曽我大穂さん」。
登場した直後から笑いを誘い、会場の空気が一気に柔らかくなりました。
そして、会場がゆっくりと暗くなっていき、演奏が始まります。
曽我さんが様々な楽器を使いながら音楽を奏でている間、スズキさんが大きな布を手に、曽我さんの体に巻き付けていきます。
そして、いつの間にかコントラバスのガンジーさんが演奏に参加。
重厚感が強まり、空間全体を包み込むような音へ。
照明は様々な色や明るさに変化しながら、お客さんをゆったりと引き込んでいきます。
しかも、この演奏、超至近距離で見ることができます。めっちゃライブ感ある。
そして、フルート、ウクレレ、木琴など、様々な楽器の音が交錯しながら、服がどんどん形を成していきます。
さらにミシンで布を縫うフォーマンスも。
縫ってる間も演奏は続き、途中、布をカットするシーンでは、ハサミの「ジャキン」という音がとても心地よく響き、演奏と融合。
そして、音と光に浸っている間に第一部(約1時間)公演が終了。
15分程度の休憩を挟んで第二部へと進みます。
20:15~ 「仕立て屋のサーカス」第二部 開演
第二部では、服の製作が終盤を迎え、音、光、布の競演を楽しんでいるうちに曽我さんが天使のような出で立ちへ。
大人だけではなく、開演前まで騒がしかった子供たちも目が釘付け。
この辺から少しずつ、音と光が激しくなり、スズキさんがお客さんの間を通りながら会場へ布を張り巡らせていきます。
ここからは音だけでなく、照明が本領発揮。
特に下からの光によって天井に浮かび上がる“布のシルエット”は圧巻。
しかも、様々な位置から音に合わせて光が発せられるため、シルエットが点滅するかのように変化。
「寝ころびながらみたらめちゃくちゃ心地いいんだろうな。」なんて思いながら写真撮ってました。
天井に移るシルエットの変化は意外と見逃しちゃうので、これから行かれる方は要チェックです。
そして、さらに音と光は激しくなりフィナーレへ。
最後は紙吹雪あり、ミラーボールが光って回って、暗転したりしなかったり、もう言葉で言い表せない空間。
そして、今まで騒がしかった音や光が集約していくように静かになりサーカスの終演を迎えます。
「仕立て屋のサーカス」終演後
開演前に撮影した中央の椅子。終演後には写真のような状態に。
楽器、布、紙が山積み。今日の公演そのものを表現しているよう。
終演後に見たデザイナーのスズキさんは、子供たちに小さな天使の羽をプレゼントしたりかなり気さくな人柄。見た目とのギャップに超好感度アップ。
個人的にはガンジーさんの演奏している時の顔が好きすぎてずっと見てました。狂ってる感半端ない(いい意味で)。
ちなみに、公演が終了した後も、演者の方々は会場にいるので気軽に話しかけられます。
ということで「仕立て屋のサーカス in 広島公演」は、名残惜しいまま終了。
次に来た時は、写真撮らずにゆっくり寝転がって浸ってみたいなぁと思っています。
本当に音と光と布に入り込める公演となっているので、興味のある方は是非チェックしてみてください。
最後に、今回私が撮った写真は「仕立て屋のサーカス」に見習い、誰でも自由にご利用ください。著作権表記なしでOKです。
SNSで「仕立て屋のサーカスの広島公演に行ってきました!」みたいなこともできちゃうんで是非どうぞ。
PHOTO | TOSHI |
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CAMERA | SONY α7RⅢ |
LENS | Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z etc… |
SOFTWARE | Lightroom cc |